中国の現地法人「ヤマコープレシジョン(無錫)」(YPW)が導入している塗装ロボットシステムを紹介します。
システム概要 | ライン塗装との比較
1 | システム名 | |
YPW回転塗装ロボットシステム |
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2 | 導入工場 | |
ヤマコープレシジョン (無錫) | ||
3 | システム概要・特徴 -低コストでフレキシブルに多品種少量生産から大量生産まで幅広く量産対応します。- |
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本システムは、攪拌室から供給される主剤及び溶剤を、クリーンルームのポンプ・制御機器を経由し、混合された塗料を塗装ガンでワークに吹き付ける2液インライン塗装が可能。(ウレタン塗装対応も検討中) |
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4 |
ロボット本体仕様 | |
機械構造形式 | 垂直多間接ロボット | |
軸数 | 6軸 | |
5 | 導入目的 | |
品質安定・向上 | 塗料主剤、溶剤の安定定量供給、ロボットの動作と連動した最適な塗装コントロールによる塗料膜厚の均一化、条件設定メモリーによる塗装品質再現性により高品質・安定化を実現し歩留まりが大幅に向上 | |
即応性 | 一般塗装ラインと比べ条件設定(ティーチング)の工程が増えるも量産開始までのリードタイムが1/3に激減、垂直立ち上がり案件にも対応可能 |
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省人化 | セル生産方式を採用、量産時は、ロボット1台にワーク着脱作業者1名。 条件設定時は、ロボット2台を1名で担当 |
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多品種対応 | 多品種少量生産から大量生産まで対応可能 | |
環境対応 | 一般塗装ラインと比べワーク以外へのオーバースプレー(注1)がなく、空気・塗料消費量の低減が実現された環境配慮型塗装システム。 塗装ブースは、クリーンルーム内に設置され、室内循環気流は、天井のHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルターユニットから清浄空気を導入、塗装設備稼働時のみ室内空気を、陽圧ダンパーから室外へ排出し室内を陽圧に保持 |
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安全対策・作業環境改善 | 塗装ブースが隔離されたドア連動安全装置。クリーンルーム内の適切な調温湿管理による快適な作業環境 | |
6 | 被塗装物(ワーク) | |
携帯電話、デジタルカメラ部品、カメラ部品、オーディオ部品、パラボラアンテナ、自動車部品(ドアミラー、ホイルキャップ、バンパー、ランプ)、パソコン、ヘルメットなど |
ロボット塗装のメリット(ライン塗装との比較) | |||||
区分 |
項目 |
ロボット塗装 |
ライン塗装 |
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機 能 |
塗装条件設定 | ○ |
ティーチングによる高精度なデジタルデータによる条件設定 | △ |
ガン設定等のアナログ設定条件や数値情報を条件管理表に記録 |
塗装条件再現 | ◎ |
メモリー(記憶装置)コールでスムーズ | △ |
条件管理表を元に、ガン設定等の手動設定・入力 |
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ワーク形状制限 | ○ |
ほとんどない | △ |
制限あり | |
サイクルタイム | ○ |
短い | △ |
やや長い | |
オーバースプレー | ◎ |
塗料噴霧ON/OFF動作のプログラム化により大幅低減可能 | △ |
センサー設置により低減可能 | |
同一ワーク多層塗り | ◎ |
可能 | △ |
別ブース・別ガンが必要 | |
複数ワーク同時処理 | ○ |
可能 | X |
出来ない | |
要員 | ◎ |
1人 | △ |
複数 | |
性 能 |
歩留まり | ◎ |
極めて良好 | △ |
普通 |
(注1)オーバースプレーとは、噴霧された塗料粒子がワーク(被塗物)以外に飛散すること。
ワーク表面からの跳ね返り、気流に流される場合も有る。